答え
正解は...
Bの「222基分」です!
それでは解説を見ていきましょう!
解説
増え続ける海洋プラスチックごみ
海洋ごみにもさまざまな種類がありますが、もっとも問題とされているのがプラスチックごみ。海洋ごみの半分以上を占めるプラスチックごみは、その素材の性質上滞留期間が長く、中には400年以上海の中を漂うものもあるといいます。
プラスチックは私たちの生活に欠かせない材料ですが、その利便性から手軽に「使い捨て」されてしまいがちです。現在、海洋プラスチックごみは年間800万トン以上も排出されており、これは東京スカイツリー®︎に例えると、222基分の重さに相当します。このままのペースで進むと、2050年にはプラスチックごみが海の魚の量を上回ると予測されています。
海洋プラごみの7〜8割は街から流れ出ている
現在、海に存在していると言われる海洋プラスチックごみは、およそ1億5,000万トン。では、これほどの膨大なごみは、どこからやってくるのでしょうか?
実は、海洋プラごみの7~8割は、私たちが生活する街中から生まれているんです。そしてその原因は、これまで原因と言われてきたポイ捨てだけでなく、町内のごみ集積所からあふれ出たごみなども一因となっていたことが調査※で明らかになりました。単純にモラルの問題だけでなく、社会的な問題や産業構造なども、ごみを投棄・ポイ捨てせざるを得ない状況を発生させる要因となっているようです。
※日本財団・日本コカコーラ(株) | 陸域から河川への廃棄物流出メカニズムの共同調査
プラスチックごみが海に与える影響
プラスチックごみが海に与える影響は深刻です。海の生態系だけでなく、海の産業にも影響を与えるため経済的な損失も免れません。そして私たちの人体へも影響を及ぼす可能性も出てきます。
プラスチックごみは、海洋生物によって誤飲されたり絡まったりすることで、最悪の場合死に至る可能性があります。ストローが鼻に刺さったウミガメや、お腹から膨大なごみが見つかったクジラの死体のニュースは記憶に新しいのではないでしょうか。
海洋汚染が広がり最も影響を受けるのは海洋生物であり、それらの生態系が崩れると海洋生物の恩恵を受けている私たち人間にも影響を及ぼします。 劣化により直径5mm以下までに小さくなったマイクロプラスチックは、海洋生物を通じて食物連鎖に入り込み、人間が魚介類を摂取することで私たちの体内にも入り込む可能性があり、健康への影響も懸念されています。
さらに、海洋生物への影響が広がることで、本来取れるはずの海洋生物の漁獲量が減るため、漁業や観光業にも深刻な影響を与え、経済的な損失を引き起こします。
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世界は脱プラスチックへ
こうした深刻な環境問題を背景に、世界的に脱プラスチックの取り組みが進んでいます。国別に、取り組みを見ていきましょう。
フランス
もっとも取り組みが進んでいると言われているフランスでは、2016年に世界に先駆けてプラスチック製のレジ袋の使用が禁止。2020年に使い捨てのプラスチック容器や食器を禁止する法律を施行し、2040年までに全ての使い捨てプラスチックをなくすゴールが設けられました。また、2024年開催予定のパリ五輪では、史上初の使い捨てプラスチックのない大会にすることを発表しました。
アメリカ
アメリカは、1人当たりのプラスチック容器包装の廃棄量が世界で最も多い国。プラスチックへの規制は州や自治体によって異なりますが、2021年に米国環境保護庁が「国家リサイクル戦略」を発表しました。この戦略では、国全体としてリサイクル可能な商品の増加とリサイクル過程での環境負荷の軽減を目指し、2030年までにリサイクル率50パーセントを達成することを目標としています。
イギリス
イギリスでは、王室を含めて使い捨てプラスチック製品の使用を禁止しています。2020年からは、ストロー、マドラーなどのプラスチック製品の供給が禁止されました。また、2022年からは国内で製造または輸入されたプラスチック製包装材に対して、「プラスチック製包装税」という制度が導入されました。この制度では、包装材の重量比で再生プラスチックの使用率が30パーセント未満の場合に課税されることとなっています。
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5Rをこころがけよう
日本のプラスチックの生産量はなんと世界第3位。一人当たりの廃棄量もアメリカに次いで2番目に多く、日本の近くの海ではマイクロプラスチックの濃度が、世界の平均の27 倍もあるという調査結果も。
日本に暮らすわたしたち一人ひとりも問題に向き合って、行動を見直すことが大切ですよね。 プラスチックごみを減らすためには、3R(Refuse、Reduce、Reuse)に、Repair、Recycleを加えた5Rの取り組みがおすすめです。まずは暮らしの中でできることから取り組んでみましょう!
個人でできる具体例
- ごみはごみ収集箱に分別して捨てる
- マイボトルやマイバッグを持ち歩く
- できるだけ使い捨て商品ではなく、再利用できるものを選ぶ
【海洋汚染の原因と現状】農工大プラごみ減らし隊の“私たちにできること”
\農工大生の脱プラへの取り組み/
「マイクロプラスチック」大昭和環境チャンネル
\マイクロプラスチックを動画で解説/
(参考)WWFジャパン:「海洋プラスチック問題について」
(参考)日本財団ジャーナル:「日本人のプラごみ廃棄量は世界2位。国内外で加速する「脱プラスチック」の動き」
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