答え
正解は...
Cの「なくならない」です!
それでは解説を見ていきましょう!
解説
海洋汚染とは
海洋汚染とは、人間の活動によって排出された物質で海が汚染されること。つまりは人によってもたらされている環境問題です。海の憲法とも言われている、国連海洋法条約では海洋汚染を、下記のように定義しています。
「生物資源及び海洋生物に対する害、人の健康に対する危惧、海洋活動に対する障害、海水の利用による水質の悪化及び快適性の減少というような有害な結果をもたらし又はもたらす恐れのある物質又はエネルギーを人間が直接的又は間接的に海洋環境に持ち込むこと」
海洋環境に有害な物質が放出されることで、多方面に様々な悪影響を及ぼします。海洋汚染の原因は詳しく後述しますが、その中でも最も注目されているものが、海洋プラスチックごみ。時間が経つにつれて劣化し、次第に小さくなりますが、なくなることはなく半永久的に海を漂うことになります。このことで、海洋の生態系に長期的な影響を及ぼし、有害物質の影響を受けた海産物が食物連鎖によって私たち人間の身体に入ることで、健康への影響も懸念されています。
海洋汚染の主な原因
海洋ごみ
海洋ごみには、海岸に打ち上げられた「漂着ごみ」と、海面や海中を流れに乗って漂っている「漂流ごみ」、海底に沈下して堆積した「海底ごみ」があります。これらのこの中でも、特に問題となっているのが、海洋プラスチックごみ。海に漂う使い捨てプラスチック製品や漁具などのプラスチックごみが、海洋生物の生命を脅かし、海洋の生態系を破壊する恐れが指摘されています。プラスチックが環境中で分解する時間を明確に判断することは難しいですが、レジ袋が1~20年、ペットボトルが400年、釣り糸は600年かかると言われています。
一度海洋に流出したプラスチックごみは、例えば海岸での波や紫外線等の影響を受けるなどして、やがて小さなプラスチックの粒子となり、5mm以下になったプラスチックは、マイクロプラスチックと呼ばれます。しかし、プラスチック※はどんなに細かくなっても、水や二酸化炭素になって自然界へ循環する生分解はせず、数百年間以上もの間、自然界に残り続けると考えられています。
※生分解性プラスチックを除く
生活排水
台所やトイレ、お風呂に洗濯など、私たちの日常生活から出た排水には有機物質が含まれています。生活排水に含まれる有機物が大量に海に流れ込むと、海中が栄養過多となり、プランクトンの異常増殖(赤潮)を引き起こす他、赤潮により、海水中の酸素量が極端に低下し、魚などの活性が極端に少なくなる(苦潮)原因となります。赤潮・苦潮の発生は、沿岸域におけるアサリ等の魚介類の減少といった漁業被害を引き起こしたり、貴重な干潟の生物に致命的な影響を及ぼす要因となります。
産業排水
生活排水とは異なり、工場や事業所などから出る産業排水には有害物質や化学物質が多く含まれており、これらの排水が適切に処理されずに海に流れ込むことで海を汚染するケースも少なくありません。水俣病やイタイイタイ病といった工場排水が原因となった過去の公害問題の反省から、現在も規制は続いていますが、海の生物や生態系だけでなく、人体にも大きな悪影響を与えます。
船舶事故による油汚染
タンカーの座礁や船舶の事故などによる油の流出も海洋汚染の原因の1つです。油が漂着した沿岸地域の自然環境に負荷を与え、海洋生物を死滅させる原因となります。また、漁業や沿岸地域の人々の健康や暮らしにも影響を及ぼします。
\プラスチックの何が問題?/
海洋汚染の現状
環境省が「漂流ごみ」を調べたデータによれば、ごみ全体のうち、プラスチックごみの占める割合が最も高く、地上で出たペットボトルやビニール袋などプラスチックを主としたごみが海に流れ込み、海を汚染する主な要因となっています。
既に1億5,000万トンものプラスチックごみが世界の海に存在していると言われており、そこへ少なくとも800万トンに及ぶプラスチックごみが、毎年新たに海に流出していると推定されています。2050年にはプラスチック生産量はさらに増え続け、海洋プラスチックごみの量が海にいる魚を上回るというショッキングな予測もされています。
\マイクロプラスチックってなに?/
海洋汚染防止のために私たちにできること
美しい海を守り続けるために、私たちに何ができるでしょうか?ここでは、海洋汚染の防止につながる代表的な取り組みをご紹介します。
生活排水に注意する
私たちの暮らしから出る生活排水には、洗剤や食べ残しの油など、海洋汚染の原因となるものが含まれています。そのため、ボディーソープや食器洗い洗剤、洗濯洗剤、料理に使う油などを適量にすることは、海洋汚染を防ぐうえで大切なポイントと言えます。その他、マイクロプラスチック排出の要因となる合成繊維衣類、マイクロビーズ入りの洗顔料・歯磨き粉・化粧品などの使用を見直すことも効果的です。
エコラベル付きの商品を購入する
海のエコラベルは、水産資源と環境に配慮し、持続可能な漁業によって提供された天然の水産物を証明するラベルです。海のエコラベルが付いた商品を購入することで、間接的に持続可能な漁業を応援することができます。環境への影響を抑えた漁業が広がれば、海洋汚染の防止にもつながり、消費者ができる重要なアクションの一つと言えます。
ごみ拾い活動に参加する
海洋ごみの多くは、陸地から流れ出ることが多いため、ごみ拾いをすることはとても大切です。ごみ拾いは誰にでもできる取り組みです。少量でもいいので、落ちているごみを見かけたら積極的に拾いましょう。海岸や地域の清掃活動に参加するのも大切な取り組みです。
ごみを出さないように務める
そもそも、ごみを出さないということも大切です。なかでもプラスチックごみは年々増えており、海洋汚染の主な原因になっていることは先に述べた通りです。レジ袋やストローなどをはじめとする使い捨てプラスチックを安易にもらわず、紙などの持続可能な製品に代替し、プラスチックの使用量を減らすよう検討してみましょう。
\ゴミ拾いとスポーツを合わせた新競技!/
さかなのおにいさん かわちゃん|伝えることで子どもと海の架け橋に
\やさしい想像力で未来の海を守ろう/
【海洋汚染の原因と現状】農工大プラごみ減らし隊の“私たちにできること”
\大学生が考えるプラスチック問題/
(参考)環境省:環境経済情報ポータルサイト|海洋汚染
(参考)海上保安庁:令和3年の海洋汚染の現状について
(参考)環境省:海洋プラスチック問題について
(参考)WWFジャパン:海洋プラスチック問題について
(参考)環日本海環境協力センター:海洋ごみを学ぼう!
(参考)公益社団法人日本下水道協会:下水道の使い方
(参考)海洋管理協議会:MSC 海のエコラベルとは
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